高論卓説

職場という新しい環境で必要なこと まず「自分にとっての仕事」の意味付けを (1/2ページ)

 春は、新入社員を迎える準備で忙しい時期である。しかし、多くの企業は新入社員に期待を寄せる一方で、「すぐに辞めてしまうのでは」という危惧も抱いていることだろう。厚生労働省によると、大学新卒の3年以内離職率が31.8%(2015年)に上るのだから当然である。

 「石の上にも三年」ということわざがあるが、何年間か忍耐して勤めれば必ず道が開ける、というものでもない。今の時代それよりも大事なことは、自分の心に耳を傾けることではないか。

 社会人のカウンセリングをしていて感じるのだが、退職を考える人は共通して「働く意味」が見いだせなくなっている。働く意味を持つことができれば、今の会社であろうと転職しようと、道を開くことができる。仕事に時間やエネルギーを投入する明確な「意味」を持てれば、困難な出来事に対しても意味づけができ、浮き沈みのある職業人生に整合性を持たせること、いわば「つじつま合わせ」ができるのである。

 このつじつま合わせにたけている人は「首尾一貫感覚」が高い。首尾一貫感覚というのは、米医療社会学者のアーロン・アントノフスキー博士(1923~94年)が提唱した概念である。ナチスドイツの強制収容所から生還しながら、更年期に至っても心身ともに良好な健康状態を維持していたユダヤ人女性たちが持っていたのが、この首尾一貫感覚である。

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