ここでは、数々の魅力を書き連ねるのではなく、走りに絞って報告しようと思う。
新型3シリーズの特徴はホイールベースが大幅に引き伸ばされたことである。前輪と後輪の間隔が40mm延長されて2850mmとなった。
ホイールベースが長くなったということは、室内空間の余裕が増えたということだ。特に後席の足元が広くなった。一層、ラグジャリー性が高まった。それによって、ボディ全長が70mmも伸ばされ4715mmに達した。
左右にもワイドなった。前輪の左右の間隔が43mmも拡大され、後輪の左右間は21mmワイド。ボディの全幅も25mm拡大。4.5シリーズと呼びたくなると思わせたのは、この堂々とした幅感にある。
と、ここまでの紹介では、長く広くなったことで走りが鈍重になったに違いないと短絡的に考えても無理はない。ホイールベース延長はフットワークの鈍化の原因にもなるし、そもそもこれだけ大きくなると重量増は避けられない。大きく重くなれば走りが悪化するのは道理だと思う。
ただし、新型3シリーズは鈍重なカメではなかった。ホイールベースは延長してはいるものの、トレッドを大胆に広げることで、ホイールベース:トレッド比を1.78に抑えることに成功した。単純に長い広いが問題ではなく、長さと広さの比率が重要なのだ。