ミラーレスカメラのシェア争いが激しさを増すなか、各社の商品戦略の違いも目立ち始めた。2月28日~3月3日にパシフィコ横浜で開かれたアジア最大のカメラ見本市「CP+」では、ニコン、キヤノンに続いてパナソニックも大型の画像センサーを搭載した「フルサイズ機」を投入するなど、さながら「フルサイズ祭り」の様相を呈した。その一方で、富士フイルムやオリンパスはフルサイズへの参入を否定し、別の分野で勝負する姿勢を鮮明にしている。
狙いはボリュームゾーン
「世はまさに“フルサイズ祭り”の様相。『御社は参加しなくて大丈夫?』と質問されることが増えた」と苦笑するのは、富士フイルム光学・電子映像事業部の飯田年久事業部長。フルサイズ機の需要は全体の3割程度にとどまるとみて、あえて参入しないという。
フルサイズとは、かつて主流だった写真フィルムと同じ36ミリ×24ミリサイズの画像センサーを指す。一回り小さいAPS-C(23.6ミリ×15.6ミリ)やフォーサーズ(17.3ミリ×13ミリ)と比べ高画質だが、その性能に伴ってカメラ本体やレンズも大きく、重く、高価になりがちだ。