関電子会社のオプテージ、5Gビジネスに向け免許申請へ 来年度サービス開始

 関西電力の通信子会社で、1日付でケイ・オプティコムから改組して発足したオプテージが、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの商用化に向け、「ローカル5G」と呼ばれる区域限定の無線通信免許の申請を計画していると表明した。大阪市内で2日開いた事業説明会で、荒木誠社長が明らかにした。免許を取得できれば、令和2(2020)年度をめどにサービスを開始する。

 携帯電話の次世代規格となる5Gは、現在の携帯電話の100倍となる最大で毎秒10ギガビット級の高速大容量通信が可能になる。また1平方キロ当たり100万台を同時に接続でき、あらゆるものがインターネットに接続されるIoT技術が一気に普及するとみられる。日本では来年にも商用化される。

 オプテージは、自社の光回線網が引き込まれた電柱などから5Gの電波を飛ばし、サービス対象とする工場や商業施設、学校などで5Gの通信環境を提供する計画を描く。総務省への5G免許申請は「非常に前向きに考えている」(浜田誠一郎執行役員)と話す。

 ほかにも、携帯電話事業者向けの5Gインフラ構築支援、他社回線を活用した格安スマートフォン事業の5G対応などを進め、中期的には5Gビジネスを「数百億円規模に引き上げたい」(浜田氏)考えだ。

 オプテージは関電グループ内の情報通信ビジネスを統合して発足した。人工知能(AI)やIoT技術の進展を背景に、法人向けITビジネスの拡大を目指す。売上高は現在の2240億円規模から、10年間で3270億円超に引き上げる計画だ。

 オプテージが5Gビジネスに進出する背景には、現行の光回線サービスと同等以上の通信速度を提供する5Gが普及すれば、光回線の需要が縮小する恐れがある。そのため同社は、固定回線網と5Gを組み合わせたサービスを創出し、新たな需要を取り込んでいく。