三菱UFJ証、地方の不採算店舗の閉鎖を検討 国内営業部門てこ入れ

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、約60ある国内拠点のうち、不採算の地方店舗の一部を閉鎖する方向で検討していることが、分かった。インターネット証券との競争で苦戦が続く国内営業部門のてこ入れに向け、グループの三菱UFJ銀行から400人規模の出向を受け入れ、連携を強化する。

 MUFGは、超低金利による国内銀行業務の収益力低下を機に傘下の事業の改革を進めており、今回の再編は2019年度中にも実施する。閉鎖対象は、銀行の店舗が既になく、証券だけが残っている地域が候補になりそうだ。

 首都圏など都市部に関しては、富裕層を中心に資産運用の需要拡大が見込めるとして、新たに10店舗程度を出す方針。銀行からの出向者の営業力も生かし、預かり資産の拡大を狙う。

 新店舗は、昨年12月に開設した「豊田営業所」(愛知県豊田市)をモデルに銀行の店舗内に置く。豊田営業所ではインターネットを活用し、店舗を訪れない顧客にも対面接客と同様の丁寧なサービスを提供するのが売りだ。銀行の口座を持つ顧客を中心に資産運用などの勧誘を強化し、ネット証券に対抗する。