視点

お家騒動の果て中国資本の支配? 3年連続赤字、大塚家具は再建なるか (1/3ページ)

福島徳

 父で創業者である大塚勝久氏との委任状争奪戦の末に経営権を握ったものの、3年連続の最終赤字。そんな大塚家具の大塚久美子社長が「攻めに打って出る態勢が整った」と宣言してから1カ月余りがすぎた。だが、同社の株価はさらに下落するなど、投資家らの反応は厳しいままだ。同社は今後、中国開拓を本格化させる計画だが、「お家騒動の果てに、中国資本に支配されるのでは」-。そんな雑音をはね返して、久美子氏は経営再建できるのか。(産経新聞編集委員・福島徳)

 久美子氏は3月4日、資本・業務提携で合意した日中の越境EC(電子商取引)を手掛ける「ハイラインズ」(東京)の陳海波(ちん・かいは)社長とともに東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。

 久美子氏は席上、「(中国では)日本の伝統家具や(顧客のさまざまな要望に応える)コンシェルジュサービスが求められている」と強調、今回の提携をてこに、中国でインターネット通販に加え、業務提携する中国の家具販売大手、居然之家(イージーホーム)の店舗を通じて家具などを売る狙いを打ち出した。

 だが、業界関係者からは「(会見では)『頑張ります』と言うだけで、具体的な事業計画も聞けず、投資家も判断できないだろう」と困惑の声が聞こえた。

 さらに、久美子氏が席上、業界団体の設立を通じて、勝久氏に和解を呼びかけたことから、別の関係者は「親子げんかに再び焦点が当たる結果になった」と眉をひそめた。

 果たして、大塚家具の株価は下落基調に歯止めがかからない。会見の前営業日には382円だったが、4月2日に300円を割り込み、その後も値を下げ続けるなど、投資家の反応は冷ややかだ。

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