メーカー

LIXIL会長兼CEOが辞意 赤字転落、トップ人事混乱で責任

 経営トップ人事をめぐって紛糾する住設大手のLIXIL(リクシル)グループは18日、潮田洋一郎会長兼最高経営責任者(CEO)が5月の取締役会終了をもって、取締役を辞任すると発表した。6月の定時株主総会を経て会長やCEOからも退く意向。外装などを手掛けるイタリア子会社の巨額損失計上が響き2019年3月期の連結最終損益が、従来予想の15億円の黒字から530億円の赤字に転落する見通しも公表した。

 潮田氏は同日の会見で、「これほどの赤字は過去最大規模だ。この業績に至った業務を執行したCEO(前CEOの瀬戸欣哉氏)を任命した自身の責任を取る」と辞任理由を説明した。さらに、「瀬戸氏を招いたことは38年間取締役を続けた中で最大の失敗だ」と述べた。

 リクシルは昨年10月、瀬戸取締役を社長兼CEOから外し、取締役会議長を務めていた潮田氏が会長兼CEOに就任する人事を発表。一部投資家らが首脳交代の手続きが適切でないと問題視していた。瀬戸氏がCEO復帰を求めて6月の定時株主総会で、自身を含む8人の取締役候補を株主提案することを表明するなど、トップ人事をめぐり大きな混乱となっている。

【用語解説】LIXILグループ

 トイレなどの住宅設備や窓などの建材を手掛ける大手メーカー。トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が統合した中核事業会社LIXILなどを傘下に持つ。グループはM&A(企業の合併・買収)で事業を拡大してきたが、イタリアの子会社の業績不振が響き、2019年3月期は最終赤字に転落する見通し。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus