スズキ、202万台超リコール ブレーキ検査不正受け29車種

 スズキは18日、ブレーキなどの検査不正を受け、計約202万1590台(2015年5月~19年2月生産)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。対象は主力の軽自動車「スペーシア」などで、相手先ブランドによる生産(OEM)も含めて計29車種。国交省によると、届け出1件当たりのリコール台数としては国内で過去最多という。

 国交省は18日、道路運送車両法に基づき、19日に浜松市の本社を立ち入り検査すると明らかにした。16年に燃費データの測定不正が発覚した際にも立ち入り検査を受けている。ブランドイメージの低下や経営への影響は不可避だ。

 社外の弁護士による調査で今月12日、ブレーキ検査で不合格とすべきなのに合格としたり、資格を持たない従業員が検査印を使ったりした不正が判明した。当初は40車種を対象としていたが、新旧などの区別を統合した結果、29車種となった。既に車検を済ませた車は対象外という。

 調査報告書によると、不正があったのはいずれも静岡県内の湖西、相良、磐田の3工場。不正は1981年6月から今年1月ごろまで続いたとする従業員の証言があった。自社調査に対し、現場が事実を隠蔽した事例もあった。