現場の風

ジャパンタクシー センサーによるデータ活用事業化

 □ジャパンタクシー最高技術責任者(CTO)・岩田和宏さん(39)

 --1月にタクシーのビッグデータの活用法を探るためのモビリティ研究開発部を新設した。狙いは

 「従来のタクシーの配車サービスとタクシーの決済事業に続く事業として、データ活用のために部署を立ち上げた。タクシーにドライブレコーダーやさまざまなセンサーを備え付けて運転手が通常通り営業しているだけで、タクシーの経路情報や位置情報が入ってくるので渋滞予測がリアルタイムでできる。デジタル地図を提供する事業者などと実験をしている」

 「タクシーをさまざまなセンサーを搭載できる『センシングカー』ととらえている。ドライブレコーダーで画像が撮影できるので、防犯用途にも使える。パトカーよりもはるかに多く都内を走っているので事件や事故の解決にも役立てられる。ワイパーの挙動で天気のリアルタイム情報にも使える。花粉センサーを備えることも検討している」

 --従来の決済事業では、車載のタブレット端末でさまざまなQR決済ができるようにしている

 「LINEペイやNTTドコモのd払いなどに対応しており、KDDIのauペイにも4月から対応した。決済機能付きのタブレットは、自社開発で中国の工場で生産している。2020年には5万台を全国のタクシーに搭載する計画だが、各決済サービスに対応しているため、車載用以外に小売店からも引き合いがある」

 --入社のきっかけは

 「15年間ほどIT企業にいたが、これからはIoT(モノのインターネット)やビッグデータの活用が面白くなると考え、タクシーのデータを活用できるなと思って入社した。タクシーにセンサーなどの機器を取り付けるために整備士と仲良くしたり、これまでにない事業を進めるためにさまざまなことをやってきた」

                  ◇

【プロフィル】岩田和宏

 いわた・かずひろ 東京工業大院卒。2005年セコム入社。11年ミクシィ、13年ストリートアカデミーを経て、15年ジャパンタクシーに入社し現職。茨城県出身。

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