不動産大手5社の2019年3月期連結決算が16日、出そろった。オフィスビルなどの賃貸事業が好調だったことから、5社ともに売上高は過去最高を更新した。最終利益についても、野村不動産ホールディングス(HD)が減少したものの、その他4社は過去最高を更新するなど、好調に推移した。
各社の好業績を支えているのが、首都圏を中心とした不動産市況の上昇だ。既存オフィスの継続賃料の改定でも、ほとんどが増額となっていることに加え、再開発案件が通年で稼働を始めたことなどで、収益を大きく押し上げた。
従前は19年3月期に、東京や大阪で大規模物件が大量供給されるため、賃料の引き下げが起きるとの予測があった。しかし実際には、人手不足や働き方改革の推進などで、オフィス環境を改善させる企業が多く、拡張移転や既存のテナント増床などが続き、各社ともに空室率は低下している。当面この傾向は続くと見ており、各社ともに20年3月期は増収を見込んでいる。
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■不動産大手5社の2019年3月期連結決算
売上高/営業利益/最終利益
三井不動産 1兆8611(6.3)/2621(6.6)/1686(8.2)
三菱地所 I兆2632(5.8)/2291(7.6)/1346(11.8)
住友不動産 1兆0132(6.8)/2204(7.2)/1308(9.3)
東急不動産HD 9018(4.1)/802(3.5)/374(6.5)
野村不動産HD 6685(7.2)/791(3.3)/458(▲0.3)
※単位:億円。カッコ内は前期比増減率%、▲はマイナス。HDはホールディングスの略