令和経済のキーワード

「IoH/IoT」集まった情報 個人に還元 山海嘉之サイバーダイン社長 (1/2ページ)

 ロボットでいうと、産業用ロボットが誕生したのが昭和。平成はIT産業が台頭しロボットとつながり始めた。モノのインターネットといわれるIoTだ。令和ではこれにヒトがつながる。私は「IoH/IoT」といっている。ヒトとモノのインターネットだ。

 どういうことかというと、ヒトの健康情報や生活情報、何を食べたか、どういう働き方をしているかなどのビッグデータを、暮らしを支えているロボットなどのモノを通じて集め、スーパーコンピューターで解析する。そこで得た情報が個人にフィードバックされるイメージだ。

 多くの人は実は自分の情報をよく知らないで生きている。身体に不具合が生じていても気付いておらず、自覚症状が出たときはすでに病気になってしまっている。病気になる前に自分の生活を整え、病気の予防や早期発見ができるようになる。超高齢化社会を迎える中ではこうしたことがますます重要視されてくる。

 こうした社会では人々の価値観も変わり、経済構造も変わってくる。これまでは購買意欲をあおり、次から次へと新製品を作る「消費型経済」だったが、「社会課題解決型経済」へとパラダイムシフトが起きるだろう。これも令和経済のキーワードだ。

 粗悪品をつかまされて後悔するということは、誰しも経験のあることかもしれない。社会が小さく分断されていた時代はこうしたビジネスも成り立ったが、世界中の情報が共有される時代では、すぐに悪評が広がる。ヒトとモノと情報がつながることで、人々の目は社会の課題を解決するような、真に価値のあるものに向かい、新たな産業を生み出していくのだと思う。

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