知恵の経営

「経営の王道」は全員参加型にあり (1/2ページ)

 松下電器産業(現パナソニック)を創業した松下幸之助は「経営の神様」と呼ばれていた。松下幸之助の経営哲学を学んだ経営者の中で最も偉大な人物は京都セラミック(現京セラ)を創業した稲盛和夫であろう。現在の「経営の神様」と呼んでも良いと思う。(アタックスグループ主席コンサルタント・丸山弘昭)

 稲盛氏のすごさは京セラを創業し成功させただけでなく通信が規制緩和で自由化されたとき第二電電(現KDDI)を立ち上げ成功させたことである。さらには2010年1月に会社更生法が適用された日本航空(JAL)の会長を誰も手を挙げる人がいなかったため引き受け、2年8カ月で再上場させ見事に再建したことである。

 JAL再生を題材にして稲盛氏の経営について記述してみたい。稲盛氏が考え抜いた経営の原則はフィロソフィーとアメーバ経営の2つである。JAL再生にあたり、稲盛氏は2人の人物を同伴させている。1人がフィロソフィー、もう1人がアメーバ経営を担当した。

 まず1つ目のフィロソフィーであるがこれは組織の全員に意識改革を促すものである。JALでは50人ほどの経営幹部に対し、稲盛氏自身も講師を引き受け京セラフィロソフィーの勉強会を開き、意識改革を促した。経営幹部の勉強会がスタートした半年後にはJALフィロソフィーが制定され全社員への「JALフィロソフィー」教育も始められている。

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