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日本を支える研究活動と技術開発 (1/4ページ)

 がん細胞だけに細胞死を促すタンパク質の人工的な合成成功

 ≪東京理科大学≫ 薬学部生命創薬科学科青木伸教授の研究室は、がん細胞だけに細胞死を促すタンパク質TRAIL(TNF-related apoptosis-inducing ligand)の人工的な合成に成功した。自然界に存在するサイトカインの一種であるTRAILは、体内の免疫細胞によって産生され、がん細胞が持つ特定のタンパク質受容体(デスレセプター)と結合して、がん細胞に自発的な死を促す。この自発的な細胞死を「アポトーシス」といい、がん細胞などにあらかじめ組み込まれているプロセス。

 アポトーシスを誘発されたがん細胞は、それ自体が死ぬだけでなく、細胞の遺伝情報を担うDNAが断片化されるため、細胞の分裂・増殖が停止する。TRAILは正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞のみを殺すことができるため、副作用の少ないがん治療に利用できると期待されている。

 本研究成果は、イギリスの学術誌『Bioinorganic Chemistry and Applications』とアメリカの『Bioorganic and Medicinal Chemistry』に掲載された。また、研究室では、前述の化合物とは異なるペプチドをもつ化合物が、更に異なる細胞死を誘導することも見出している。

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