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劇場アニメ増、人不足懸念 ヒット作で解消期待 効率化も急ぐ (1/2ページ)

 2016年公開の「君の名は。」の大ヒットが起爆剤になったこともあり、新作アニメ映画の企画が相次ぎ、今年から来年、劇場公開を控える大作がめじろ押しだ。制作量が現場の処理能力を超える「19年クライシス」への懸念がささやかれる一方、ヒット作が続き人材が集まる好循環への期待も高まっている。

 「大作アニメの公開が控えていて、人材を集めるのが大変な状況だった」。そう話すのはNHK連続テレビ小説「なつぞら」の磯智明チーフプロデューサー。オープニングをはじめ、劇中ではアニメを使った演出が欠かせない。アニメ監修を務める制作会社代表に骨を折ってもらったという。

 「君の名は。」の新海誠監督による「天気の子」のほか、人気ゲームを原作とした「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」「二ノ国」、シリーズ完結作の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」…。いずれも多くの集客が期待される大作が、来年までに公開予定だ。

 「大作だけでなく、中小作品の劇場アニメも増えている」と語るのは、アニメ産業研究家の増田弘道さん。日本動画協会によると、08年に31本だった劇場アニメのタイトル数は、17年には84本に増加した。

 増田さんが原因の一つとして指摘するのが、テレビの地上デジタル放送への移行だ。テレビ画面の縦横の比率が映画で利用される比率になり、解像度も高精細になって映像を作り込むようになったため、映画化のハードルが大幅に下がった。その結果、ヒットしたテレビアニメの劇場版を作ることが増えたという。

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