将来のモータースポーツを変える?
ゼロエミッションだから、走らせる場所に制約がないことは武器かもしれない。爆音もないから、市街地だって走らせられる。たとえば、ドームの中で走らせることも可能だ。排気ガスに困ることはないし、爆音に耳をふさぐ必要もないのだ。近い将来のモータースポーツの形態を変える可能性を感じるのだ。
「リーフニスモRC」をドライブしたことで、今後のモータースポーツの形態に関する様々な不安と期待が頭を駆け巡った。爆音がなく乗りやすいレーシングカーが、はたして観客のハートを掴むことができるのか。あるいは逆に、環境適合性の高さによって、新たなモータースポーツファンを獲得することができるかもしれない。思考が複雑に絡み合って解けない。
ともあれ、トヨタは2025年には550万台の電気モデルを発売するといい、日産がきたるEV時代を牽引すると積極的だ。EV時代がすぐそこに迫っていることに疑いはない。そしてその時、モータースポーツは存在しているのか消滅しているのか、あるいはまた華々しい時代を迎えているのか。「リーフニスモRC」は水先案内人の役割を持つ。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。