金融

スルガ銀株主総会 怒号の応酬、「見る価値ない」途中退席も

 経営再建中のスルガ銀行は26日、本店のある静岡県沼津市で定時株主総会を開いた。投資用不動産をめぐる不正融資など一連の不祥事に対し、会の冒頭から経営陣の引責辞任などを求める株主の厳しい声が集中。有国三知男社長は「経営の継続性から(業務)改善計画の実行をしっかり務めたい」と釈明したが、その声がかき消されるほどの怒号が飛び交う大荒れの展開となった。

 午前10時に始まった総会の出席者数は、過去最多だった昨年(406人)を上回る556人に達し、物件オーナーや被害弁護団の姿もみられた。総会所要時間は昨年の3時間15分を超える3時間22分に及んだ。

 総会では経営再建に向け、有国氏を除く5人の取締役が退任し、新たに6人が就任する新経営体制や、企業統治を強化するため監査等委員会設置会社への移行などの議案を可決した。

 副社長には佐川急便の親会社SGホールディングスで取締役を務めた嵯峨行介氏が就き、社外取締役が過半の4人となる。

 ただ、「総会はほぼ怒号の応酬。経営陣の対応や説明も曖昧で聞こえづらく、これ以上見る価値はない」と述べ、途中退席する株主の姿も散見された。

 スルガ銀にとっては、昨年10月に金融庁から一部業務停止命令を受けてから初の総会。一連の不正問題を受け、2019年3月期の連結最終損益は971億円の赤字に落ち込み、配当も見送った。

 株価は問題発覚前の18年1月頃と比べ、直近では約6分の1の400円前後に沈んでいる。

 神奈川県小田原市から来た無職男性(86)は「このままの経営状況ならば、保有する株も紙くず同然だ」と半ばあきらめ顔だった。

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