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「太陽系の歴史手に入れた」 はやぶさ2成功でJAXA会見 (1/2ページ)

 「太陽系の歴史のかけらを手に入れた」「リュウグウが祝福してくれた」。探査機「はやぶさ2」が地下の物質採取を目指し、小惑星「リュウグウ」への着地に成功した11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者は世界初の快挙に沸き、喜びに包まれた。

 相模原市にあるJAXAの管制室。数十人のメンバーが集まり、地球から約2億5千万キロ離れたはやぶさ2の状況を示す画面を静かに見守った。

 機体が着地し、物質を採取するための弾丸を発射して上昇する一連の作業が行われたことを午前10時50分ごろに確認すると、一斉に大きな拍手が起きた。

 小惑星の地下物質は、太陽系が誕生した約46億年前とほとんど同じ状態を保っているタイムカプセルだ。会見した責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは「私たちは太陽系の歴史のかけらを手に入れた。この成功を皆さんと分かち合いたい」と述べ、報道陣からも拍手が起こった。

 人類は月より遠い星で地下の物質を採取したことはなかった。津田氏は「それを世界で初めて成功させ、しかも比較対象となる地表の物質も既に採取済みだ。太陽系の歴史や生命の起源の研究に役立つデータが得られた」と語った。

 点数を問われると「百点満点で千点。本当に今回は言うことなしで、準備も含めてパーフェクトだった」と声を弾ませた。

 JAXA内部では、失敗して地球に帰還できなくなることへの懸念も出ていた。津田氏は「冷静、科学的に実施を決断できたチームを誇らしく思う。今後の探査に非常に大きい影響がある」と振り返った。

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