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テレワーク浸透期待も課題 簡単作業向きの認識、機器整備が負担

 2020年の東京五輪・パラリンピックの交通混雑対策として推進される「テレワーク」は、自宅などで働くことで、育児との両立や時短を実現する働き方改革の「切り札」と期待されている。ただ中小企業は、通信機器などの設備投資を負担と感じる可能性もあり、幅広く普及するかどうかは不透明だ。

 7月上旬の午前8時ごろ、ニュースアプリ「NewsPicks(ニューズピックス)」を運営するユーザベースの総務部門で働く重松花さん(45)は中学生の娘を学校に送り出すと、東京都内の自宅でパソコンを広げた。「集中したいときは自宅です」と週1回程度は在宅勤務する。会議はテレビ電話で参加し、同僚とのやりとりにはチャットが便利だ。

 ユーザベースは国内約500人の従業員ほぼ全員にテレワークを認めており、出社するのは全体の半数程度。社員が最も結果を出せる環境を整え「人材確保や成果につなげる」(広報)狙いだ。

 富士通では7割以上の職場でテレワークが取り入れられ、法人営業担当の加藤貴之さん(38)も「移動時間がもったいない」と活用する。社内システムに接続できるパソコンを使い、自宅で資料作成を済ませて営業先に出向く日も。「気が緩まないよう自宅でもスーツを着ている」と笑う。

 共有オフィスの増加も目立つ。米ウィーワークは昨年2月の日本進出以降、東京のほか横浜市、名古屋市、大阪市、福岡市の全国5都市に約20拠点を展開。大手企業の出先拠点「サテライトオフィス」としての需要に加え、他業界との交流を求めるベンチャー企業が本社として活用している。

 テレワークに積極的な企業がある一方、消極的な企業も少なくない。総務省が従業員100人以上の企業を対象に昨年調査したところ、テレワークを導入しない理由は「適した仕事がない」との回答が最も多かった。在宅では簡単な作業しかできないという認識が根強いようだ。

 また、資本金1000万円未満でテレワークの制度がある事業者の割合は12.1%にとどまった。連絡手段やセキュリティー対策など機器の整備が必要で、中小企業には負担が重いとみられる。小売りや製造業といった遠隔での業務が難しい現場もある。

 在宅勤務導入を支援するコンサルタント会社テレワークマネジメントの田沢由利社長は「テレワークは福利厚生ではなく、人材確保や効率化に向けた企業戦略であるという意識改革が必要だ」と指摘した。

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