高論卓説

高校球児の登板回避に思う 時代画する英断、リーダーに必要な基準 (1/2ページ)

 最速163キロを記録している大船渡高校の佐々木朗希投手が、夏の甲子園岩手大会準決勝で完封勝利。大谷翔平、菊池雄星を輩出した花巻東高校との決勝は全国的に注目された。にもかかわらず、大船渡高校の国保陽平監督は、エースで4番の佐々木を投手としても打者としても決勝で起用せず、大船渡高校は2対12で花巻東に大敗、選手たちの悲願である甲子園出場は夢と散った。

 国保監督は、佐々木投手の登板回避について、「故障を防ぐため」「理由は球数、登板間隔、気温」「3年間の中で一番壊れる可能性が高い」と理由を述べている。

 これに対して、「甲子園に行きたくないのか」とヤジが飛び交い、大船渡高校には「監督は何を考えているのか」「なぜ投げさせなかったのか」と抗議電話が殺到、メディアでも「勝ち度外視」「他の選手の夢を踏みにじる」という論調がはびこり、中には、「壊れても当然。けがをするのはスポーツ選手の宿命」発言も出るなど、国保監督の采配に疑問の声がやまない。

 「実際にけがをしているというわけではないのだから、投げさせればよかったのではないか」「先発させていけるとこまで行けばよかったのではないか」「若いのだからやらせるべきだった」という声が上がる。しかし、けがの可能性を推してさえも投げさせるべきだというのか。「けがをしなかったかもしれないではないか」という声がかえってくるが、けがをしてしまったらもはや手遅れだ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus