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日本旅行 地域振興、出張支援で需要創出へ

 □日本旅行社長・堀坂明弘さん(63)

 --改元に伴う需要など、国内旅行は好調だ

 「『皇室ゆかり』のホテルや観光地などを活用した商品をつくるよう、社内に発破を掛けている。皇室にスポットを当てることで、お客さまに『来年も行ってみたい』と思っていただきたい。社会的に注目されている事象や、話題のスポットなどを手軽に参加できる形で商品化し、旅行需要を高めることは旅行会社の使命だ」

 --地域振興では、官民一体で観光地と地域資源の開発を支援する「日本版DMO」に注目が集まる

 「例えば、ラグビーW杯のキャンプ地という特徴を生かしてインバウンドのお客さまを誘客すれば、地域活性化への新たなコンテンツとなる。ライトアップや美術館の夜間開放など、観光地の夜の需要を作り出す工夫も必要だ。このようなノウハウがある旅行会社と各地のDMOとの関わりが、ますます重要になってくるだろう」

 --米中貿易摩擦はビジネス需要にどう影響するのか

 「大手メーカーが出張を抑える動きがあるなど、出張に関わる経費を少しでも抑えたいという企業は多い。当社では、出張関連業務をウェブ上で手配できるシステム『出張なび』と、(親会社の)JR西日本の法人顧客向けウェブ予約サービスを組み合わせ、費用の最適化と煩雑な業務処理の一元管理ができるようになった。顧客からの引き合いが強く、取り扱いは伸びている」

 --昨年、海外の会社と相次いで提携した狙いは

 「英国の会社との提携は、日本人向け欧州ツアー商品の品質向上のための軸としたい。豪州の会社とは、現地の富裕層などのお客さまを持つ強みを生かし、団体旅行や日系企業を狙った営業を強化する。シンガポールの会社は、オンラインの予約システムのサービスを充実させる。東南アジアの拠点から(日本だけでなく)欧州、中国(など第三国)への旅行需要も取れるようにしたい」

【プロフィル】堀坂明弘

 ほりさか・あきひろ 慶大経卒。1979年国鉄入社。民営化されたJR西日本で鉄道本部営業本部長、取締役兼常務執行役員などを経て、2016年6月から現職。熊本県出身。

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