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鹿島アントラーズ買収 メルカリJ1進出への期待 (1/2ページ)

 ほおっ、と思った。

 フリーマーケット大手、メルカリによるサッカーJリーグ、鹿島アントラーズ買収である。メルカリは運営会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの株式の約60%を日本製鉄などから約16億円で買い取り、経営権を手にした。(産経新聞客員論説委員・佐野慎輔)

 「ビジネス」の価値

 鹿島は1942年創部の住友金属サッカー部を母体に、「オリジナル10」と呼ばれる93年、Jリーグ創設10クラブの一つ。J1最多19タイトルを誇る。地元密着度も高く、2018年度決算では73億3000万円の売り上げを計上し、神戸、浦和に続く。4億2600万円の最終利益、純資産21億6600万円はともにJ1で2位と経営状況は良好である。

 なぜ今、“身売り”なのか。「BtoB」から「BtoC」へ、ビジネスとしてのスポーツの変化にあると考える。

 鹿島の元の“親会社”住友金属も、新日鉄と合併し新日鉄住金から今春、名義変更した今の“親会社”の日本製鉄も直接、消費者を相手にする企業ではない。企業を取引対象とする「BtoB」の会社であり、特色である「重厚長大」は安定的に企業スポーツを支えてきた。一方で、クラブは自社グループ統合の象徴ともなっており、視線は内向きだったともいえよう。

 昨今、プロスポーツはビジネス対象としての価値がクローズアップされており、企業としてのあり方が問われるようになって久しい。そこに登場してきたのがIT企業である。インターネットの普及によって、さまざまな分野で直接、消費者に訴えかける「BtoC」の手法が広く浸透し、スポーツの世界にも影響を与えるようになった。

 メルカリに期待されるのも鹿島地域に限定的だったファン層の拡大、とりわけ女性層への浸透、さらに経営のスピード感とITを用いた新しいビジネス機会の創出である。それがメルカリの「鹿島の伝統ブランド」を生かしながら同社の「ブランド力を高める」(メルカリの小泉文明社長)狙いと合致した。

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