ビジネス解読

変わる日本人の仕事観 背景には正社員の「不自由さ」 (1/2ページ)

 正社員となって終身雇用で会社に勤めることが理想とされた日本人の仕事観が、変化し始めている。背景の一つが正社員としての雇用にまつわる不自由さ。異動や転勤などで生活が大きく左右される正社員ではなく、より自由な働き方を選ぶ志向も強まっている。また、国際競争にさらされる企業の側も、終身雇用の維持が難しくなっていると指摘する。ただし、正社員に代表される日本型雇用は日本企業の強みでもあり、働き手にとっても正社員の安定性は魅力。多様かつ不安のない働き方の実現のための仕組みが求められている。

 「自分で仕事を選んでいるという気持ちが時代にマッチしているのでは」

 インターネットサービス開発などの仕事をプログラマーなどフリーランスのIT人材に紹介する事業を手掛ける「レバテック」(東京都渋谷区)ITソリューション事業部の三井賢太事業部長はこう話す。

 レバテックは自社に登録するIT人材に、企業から寄せられたサービス開発などの案件を紹介。企業との委託契約を成立させている。IT人材の側は賃金などの条件を考慮しながら自分が挑戦してみたい案件を選ぶなど、キャリアアップを見据えた柔軟な働き方が可能だ。現在の登録者数は数千人。平成17年のサービス開始以来の累計では10万人にのぼる。

 ミスマッチの解消

 フリーランス志向の背景にあるのは、企業で働く正社員が「ミスマッチ」に悩んでいる現実だ。プログラマーのような専門性の高い職種でも、任される仕事は、実際にプログラムを書く業務から大規模なシステムの設計、顧客企業との折衝まで多岐にわたる。三井氏は「正社員として就職してから数年でフリーランス転向を選ぶIT人材も多い」と話す。

 企業がこぞってインターネットサービスを打ち出す中、IT人材への需要は強く、フリーランスの待遇は正社員に見劣りしない。機械学習関連のIT人材なら月額75万~120万円の報酬を受け取ることも可能だ。

 家庭との両立を見据えたフリーランス転向もある。ある40代のIT人材のケースでは、大手システム開発会社の正社員として遠方の顧客企業に常駐し、情報管理のため携帯電話も持ち込めない職場で働いていた。しかし、家族が要介護状態となり、フリーランスになることを決意。現在は、自宅近くの緊急時の連絡が取りやすい職場で働いているという。

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