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SUV拡販、業績向上の鍵 トヨタなど 生産強化や品ぞろえ拡充

 世界でスポーツ用多目的車(SUV)の需要が拡大している。トヨタ自動車は供給力を引き上げるため、2021年に稼働予定の米国の新工場で生産する車種を新型SUVに変更。独アウディは25年に同社の世界販売の5割がSUVになるとの見通しを示した。SUVの商品力は自動車各社の業績も左右しており、経営戦略上の重要性が増している。

 「米国市場は引き続きSUVシフトが進んでいる。SUVの新型モデルを投入しながら、生産・販売施策もSUVを中心にしていく」

 トヨタの吉田守孝副社長は2日の2019年4~6月期決算説明会でこう話した。

 世界経済の減速で自動車需要が伸び悩む中、同期の自動車決算では大手7社のうち、トヨタとSUBARU(スバル)だけが増益を確保した。牽引(けんいん)したのはトヨタの「RAV4」、スバルの「フォレスター」と、両社とも北米を中心に拡販に成功したSUVだ。

 トヨタは7月、マツダとの共同出資で米アラバマ州に建設中の新工場の生産車種を、当初予定の小型車「カローラ」からSUVに変更すると発表。吉田氏は年末にSUV「ハイランダー」を全面改良して発売するほか、来年、再来年もSUVを投入し攻勢をかける方針を示した。

 調査会社フォーインによると、08年に約685万台だった世界SUV市場は18年に約2794万台と、10年間で約4倍に膨らんだ。市場拡大が続くとみるアウディは、自社の世界販売に占めるSUV比率が足元の38%から、25年までに50%に高まるとする。

 日本でもSUV人気は高まっている。昨年、トヨタは3年ぶりにRAV4を、ホンダは2年ぶりにSUV「CR-V」を国内で復活させた。市場拡大を受けて各社が品ぞろえを拡充、新商品効果が需要を喚起し、さらにSUV販売が増える好循環が生まれているようだ。CR-Vの一部モデルやマツダの「CX-8」のような3列シートSUVは、ミニバンからの買い替え需要も取り込んでいる。

 輸入車もSUVの新商品投入が相次ぐ。独BMWの日本法人が6月に3列シートのSUV「X7」を発売。アウディジャパンは9月に「Q8」を売り出す。同社のフィリップ・ノアック社長はSUV人気の背景について、「家族でアウトドアを楽しむのに便利だ。座席の位置が高いため視界が良く、運転者の安心感が大きいことも理由だろう」と分析している。(高橋寛次)

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