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自動運転車、免許返納増え高齢者にニーズ

 人口減少が進む地域の公共交通網は、縮小傾向だ。利用者減や経営環境の悪化が背景にある。

 2019年版交通政策白書によると、三大都市圏以外での16年度の路線バス利用者は00年度比でマイナス24%。事業者の69%(17年度)が赤字で、年間1000キロ程度の路線が廃止されている。鉄道も、17年度までの10年間に全国で約311キロが廃線となった。

 代替策として、タクシー事業者が乗り合いタクシーを運行したり、住民がマイカーで別の住民を有償で運送したりする地域もあるが、穴埋めは十分ではない。高齢運転者の自動車事故が相次いだ影響で免許証を返納する人が増えており、地域住民の「足」を確保する必要性が高まっている。

 政府は、自動運転の早期実現を「高齢者らの有効な移動手段となることが期待される」(交通政策白書)と強調。20年にも限定地域で導入を図り、25年をめどに全国に拡大させたい考えだ。公共交通が撤退した過疎地や、高齢化が進むニュータウンなどでの活用を想定している。

 実現に向けた環境整備も進む。今年6月には、無人運転バスの導入を検討する事業者向けに安全対策の指針を作成。事故の発生を即時に把握するため、車内カメラや通報装置の設置を求めた。

 ただ自動運転システムは現在、各自動車メーカーが開発途中で、実用化に向けた車体の導入価格や、維持コストといった詳細は未知数の部分が多い。システムが起こした事故に関する賠償請求の具体的な仕組みも、今後の検討課題となっている。

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