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強まる市場不安 円急伸に警戒を 米景気後退で利下げ強化も (2/2ページ)

 米大統領選挙を来年に控え、トランプ氏が再び減税を持ち出してくる可能性もある。これに対し、マイナス金利を既に採用している日本や欧州は実効性のある金融緩和の余地がほとんどない。

 日本では10月から消費税率が引き上げられる。増税による悪影響を緩和する措置も準備されているが、望まれる政策とは方向が逆であろう。最終的に市場の行方は米国の金融、財政政策頼みということになる。

 金融政策を決める日米欧中銀の会合は終わったばかりで、市場の不安を沈静化させる政策を講じるには時間を要する。当面は米中による批判の応酬が続き、市場はしばらく不安定な展開を余儀なくされよう。

 仮に政策対応が後手に回れば、市場は景気失速のリスクを織り込まざるを得なくなる。この場合、日本にとって最も警戒すべきは円高の急速な進行だ。日米の金利差から見ると、足元の円の対ドル相場はFRBによる今後2~3回の利下げを織り込んだ水準にある。米国が景気後退に陥ることを前提に本格的な利下げに踏み出せば、1ドル=100円の大台突破も視野に入ってくる。

【プロフィル】嶌峰義清

 しまみね・よしきよ 第一生命経済研究所首席エコノミスト。1966年神奈川県座間市生まれ。青山学院大経済学部卒。専門は金融市場全般や日米経済。

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