金融

アフラック商品不利益放置 日本郵便 無保険、二重払い10万件

 日本郵便がアフラック生命保険の委託を受けて販売しているがん保険について、一時的な無保険や保険料の二重払いといった顧客に不利益となった恐れのある契約が、2018年5月からの1年間で約10万4000件に上ることが21日分かった。

 日本郵便がシステム上の不備を放置していたことが原因。同社は10月に改善を行うとし、がん保険の販売は今後も続けるとしている。

 かんぽ生命保険が保険の不適切販売を繰り返していた問題では、顧客に不利益となった恐れのある契約が過去5年間で約18万3000件に上ることが発覚していた。

 日本郵便はかんぽや他生保の商品の積極的な販売を自粛する一方でアフラックのがん保険は販売を継続しており、顧客に不安が広がる恐れがある。

 10万4000件の内訳は3カ月間の無保険が4万件。保険料の二重払いが3万3000件。無保険と二重払いの組み合わさったケースが3万件だった。

 アフラックのがん保険はがんに罹患(りかん)した人の加入を防ぐため、新規加入後の3カ月は保障を受けられない。

 そのため旧契約から新契約に乗り換える際には3カ月の間無保険になるか、新旧保険を併存させ保険料を二重払いする必要があった。

 アフラックは14年から乗り換え時に新規契約分の保険料を支払えば二重払いにならない「条件付き解約制度」を導入。各販売代理店で順次適用されたが、日本郵便では対応が遅れていた。同社はがん保険の乗り換えが急増したのは新商品が発売された18年4月以降であり、14年当時は乗り換えのニーズが少なかったと説明している。

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