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かんぽ販売再開、見切り発車に戸惑いの声 実態解明・再発防止は道半ば (1/2ページ)

 日本郵政グループが30日、日本郵便とかんぽ生命保険で自粛していた同社の保険販売の再開を表明したことに、驚きや戸惑いの声が広がっている。契約の調査や対策を進めている最中であり、実態の確認や再発防止が十分に行われたことが担保されないままでは、見切り発車との批判は不可避だからだ。

 「これはまずいんじゃないか」。30日夕方、元郵便局勤務の男性は郵政グループの公表文を見て、こう漏らした。「まだ、問題の整理がついていない。なぜ、こんなことをするのか」。

 郵政グループと関連が深い国会議員も一報を聞き、「時間をかけてきっちりと病巣を絶ち、対応策の仕組みをつくることまでしないと再開はきつい」と一言。その上で「郵便窓口はまだしも、一連の問題を起こした渉外営業は時期尚早だ。再開は2段階に分けた方がいい」と語った。

 郵政グループの公表文で「10月1日からお客さま対応に支障のない範囲で、かんぽ商品の通常通りの営業を段階的に実施する」とした。もっとも、段階的にというのは調査を踏まえて不適切な販売がなかった郵便局や打ち出した対策で早期に改善できそうな郵便局から順次、販売を再開するという意味だという。「10月1日の段階で再開できるところはほぼないかもしれない」と関係者は指摘する。

 今回、再開時期を明記したことで現場や顧客から戸惑いの声が噴出することは必至だ。グループ各社もそのことは分かっており、時期の表現をめぐって3社でせめぎ合いがあった。公表直前まで「10月1日を目指す」としていたが、「目指す」との表現を削除したのは日本郵政だという。

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