テクノロジー

ソニーの“着るエアコン”、「レオンポケット」は即戦力になりそうだ (1/4ページ)

 35度を超える猛暑日が続き、携帯扇風機(ハンディファン)が飛ぶように売れた2019年の夏。ソニーはインナーウェアに装着する冷温パック「REON POCKET」(レオンポケット)を発表した。外出時に役立つ「着るエアコン」はどれほどの効果があるのか。プロジェクトリーダーの伊藤陽一氏、ハードウェア設計を担当した伊藤健二氏に話を聞きながら、実際に試した。

 レオンポケットというネーミングは、「冷温」(れいおん)に由来する。大きさはPCのマウスぐらいで、重さは約85グラム。東レインターナショナルと共同開発した専用のインナーウェア(Tシャツ)は背中の首に近い場所にポケットを備え、ここに本体を入れて固定する仕組みになっている。

 首もとに装着する理由は、ここを温めたり、冷やしたりすることで、効率良く体に熱を伝えたり、体の熱を排出したりできるから。この上にワイシャツやジャケットを着ると、周囲からはレオンポケットを身に着けていることが分かりにくい。伊藤陽一氏は「見た目にも違和感がないようにデザインは徹底的に作り込みました」と話している。

 レオンポケットには電圧をかけることにより発熱/吸熱(冷却)するペルチェ素子という電子部品が使われている。ペルチェ素子はワインセラーなど小型冷蔵家電や自動車のシートクーラーなどに使われる実績のある電子部品で、駆動時の騒音が少ないことが特長だ。

 ただし、吸熱すると部品の反対側が発熱するため、これを上手に排出する技術が求められる。ハードウェアを設計した伊藤健二氏は、「ソニーではデジタルカメラやスマートフォンの商品開発を通じて、熱設計に対して多くのノウハウを培ってきました。今回それをレオンポケットにも生かしています」と話していた。そこにペルチェ素子の検証によって得たノウハウも含まれているのだろう。

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