日清フーズは、同社として初の機能性表示食品「カラダに、おいしいこと。」シリーズを発売する。食物繊維の働きにより食後血糖値の上昇を緩やかにするパスタソースや、イヌリンの働きによりおなかの調子を整えるホットケーキミックスなどで、体に良い機能性とおいしさを両立し、健康価値を消費者に訴える。「健康的であってほしいが、おいしくあってほしいという消費者のニーズに応えた商品」と担当者は胸を張る。
同社はデジタルマーケティングにも力を入れ、「パスタソース購入者かつ健康系商品類購入者」といった購買履歴や、健康系媒体へのアクセスといったウェブ行動履歴を基に動画素材を配信する。
日清フーズはまた、人手不足や、人件費・物流コストの増加により深刻な状況にある外食産業にも目を向け、業務用商品の強化も図っている。「打ち粉いらずのかるサク衣」は、従来天ぷらを揚げる過程で必要であった打ち粉工程を不要にすることで、調理時間の短縮に加え、調理台を使わなくてもよくなるなど作業工程を柔軟化させ、人手不足に悩む外食の調理場をサポートする。
消費者ニーズの多様化に対し、各社は新商品の開発や、効果的なマーケティングで需要獲得を目指す。環境変化に苦しむ外食産業向け業務用食品も含め、限られた需要を奪い合う競争が加速しそうだ。（出口賢太郎）