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オロナミンCが8%でリポビタンDが10%の軽減税率…消費者も置いてけぼり (4/4ページ)

 税率はあくまで「販売時の顧客の意思」で決まる

 外食と持ち帰り販売のグレーゾーンにあるのがコンビニやスーパーのイートインスペースです。コンビニやスーパーのイートインスペースは立派な飲食設備ですので、イートインスペースで食べる場合には外食として10%、持ち帰る場合は軽減税率8%が適用されることになります。

 しかし、ただでさえレジに行列ができやすいコンビニやスーパーで、一つひとつの商品について、「これは持ち帰りですか、店内で食べますか」と聞くことは無理です。そこで、このような店舗の場合は、例えば、「イートインスペースをご利用の場合はお申し出ください」といった貼り紙をして確認するといった方法も認められます。

 では、持ち帰りだと言って8%で購入したお客さんが、気が変わってイートインスペースで食べたらどうなるのでしょうか。追いかけていって差額の消費税を請求するのでしょうか。いえいえ、そんな必要はありません。税率の判定をするのは、販売時点ですので、販売時に持ち帰りとして軽減税率が適用になったものは、あとで店内飲食していたとしても、税率を変更する必要はありません。

 先生が食べる給食は軽減税率の対象外

 食品を単純に販売する場合は軽減税率8%の対象で、レストランや食堂などで食事を提供する場合は軽減税率の対象ではないというのが、10月1日からの新しい消費税の基準ですが、この基準に従うと、学校給食や有料老人ホーム等で提供される食事も、本来は10%の税率が課されることになります。しかしながら、学校給食や有料老人ホームで提供される食事については、特別に軽減税率が適用されると消費税法は定めています。

 ここで注意が必要なのは、学校の先生や学校で働く職員さんたちが給食を食べる場合です。先生や学校の職員さんも生徒さんたちと同じように給食を食べることがありますが、これらの食事は軽減税率の対象ではありません。

 なぜならば、学校給食とは、学校において児童または生徒に提供されるものを指す用語でして、同じものでも、先生や職員さんが食べる場合には、学校給食ではないからです。同様に、学生食堂や社員食堂で提供される食事も給食ではありませんので、軽減税率の対象にはなりません。

 以上のように、軽減税率の対象になるかならないかに関してはさまざまなグレーゾーンがあります。皆さんの印象としては、「なぜ、それで税率が変わるのかわからない」というところでしょう。

 ケンタッキーフライドチキンやマクドナルド、牛丼の松屋、すき屋では、顧客と軽減税率の対象になるか・ならないかについてのトラブルを避けるために、本体価格を調整して、店内飲食も持ち帰り販売も税込み価格を統一するそうです。これは経営方針としては良いと思いますが、もともとの軽減税率の目的である「食べ物だけでも低い税率を」という観点からは意味がないと思います。

 なぜ、価格を統一しようという企業があるかというと、軽減税率と標準税率の差がわずか2%しかないからです。軽減税率が適用になるかならないかの微妙な判断を強いられる事業者の皆さんにとっては、なぜ2%のためにこんなに苦労をしなくてはならないのかと思われることでしょう。

芹澤 光春 税理士
 1968年生まれ。一橋大学法学部卒業。芹澤光春税理士事務所所長。第34回日税研究賞入選。第10回「税に関する論文」納税協会特別賞受賞。著書に『消費税 重要論点の実務解説』(大蔵財務協会)、共著に『消費税率引上げ・軽減税率・インボイス〈業種別〉対応ハンドブック〔改訂版〕』(日本法令)ほかがある。

 (税理士 芹澤 光春)(PRESIDENT Online)

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