金融

「資産寿命」AIで見える化 三井住友銀行、12月に全国導入

 三井住友銀行が、蓄えが底を突く時期を示す「資産寿命」を人工知能(AI)が推計して「見える化」し、顧客に示すシステムを12月にも全国の店舗へ導入することが分かった。長寿化が進む中、老後の不安を和らげる適切な備えを促す。推計には資産の現状や収入、家族構成に加え、リタイア後の理想の暮らし方も反映させる。

 三井住友銀は、推計結果を活用して顧客ごとにきめ細かい資金計画を立てることで、投資信託や保険などの金融商品を適切なタイミングで提案できると期待している。「人生100年時代」を見据え、将来は行政機関や外部企業と組み、介護施設や医療機関の紹介、再就職支援といった人生設計の提案もできる情報プラットフォームに育てたい考えだ。

 従来は営業担当者が顧客から情報を聞き取り、モデルケースと比較しながら標準的な資金計画を示していた。新たに導入する「マネープランニングシステム」では、「いつまで働きたいか」「社会貢献に関心があるか」といった暮らし方に関するデータを入力するのが特徴で、AIが過去20年間の家計調査を基に将来の金融収支をはじき出し、資産寿命や老後に必要な資金額を自動的に提示する。

 親会社の三井住友フィナンシャルグループは収益の多角化を狙い、異業種と連携した情報プラットフォームづくりを加速しており、今回のシステムも一環とみられる。

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