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電事連会長、勝野氏で調整 18日に会合、岩根氏は在任4カ月

 関西電力の金品受領問題を受け、岩根茂樹社長は9日、電力の業界団体、電気事業連合会(電事連)の会長を辞任することを表明した。岩根氏は6月に就任したばかりで、わずか4カ月での退任となり、電力業界にとって打撃が大きい。岩根氏は原発の再稼働や新増設を進めるため、人材や技術の維持などを、業界全体で取り組んでいくことを強く打ち出していた。

 電事連は9日、岩根氏が9日付で会長職を退任したと発表。18日に会員各社の社長らが集まる会合を東京で行うが、その段階で新体制を決める方向だ。後任には中部電力の勝野哲社長が就くことで最終調整している。

 岩根氏は電事連会長の続投を繰り返し説明してきた。だが、自身が金品を受け取っていたほか、昨年の調査を取締役会に報告していないことや、その処分が軽いことなどが明らかになり、批判が集中した。電力業界団体のトップとしての役割が果たせないとして、会長辞任に追い込まれた格好だ。

 電事連の会長は、会員である大手電力10社の社長の互選で決定する仕組み。東京電力、関電、中部電の3社のトップが就任してきたが、東電福島第1原発事故以降は関電、中部電の社長が交代で会長を務めてきた経緯がある。

 電事連会長は毎月1回、会員10社の社長が集まる総合政策委員会で業界としての施策や提言を取りまとめる。業界団体のトップとして、政財界への要請といった業界団体活動を、社長業務と並行して取り組むため激務とされる。

 中部電の勝野社長は6月まで会長を務めていたが、異例の事態となっているだけに、電力業界の信頼回復に向け再登板を受け入れるとみられる。

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