金融

訪日客増で観光業向け保険 通訳トラブル補償、集客相談サービスも

 インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加に対応し、観光業に向けた損害保険サービスが多様化している。通訳時に発生するトラブルを補償する商品のほか、ビジネス拡大を目指す事業者にはコンサルティングで対応。観光業の振興を後押しし、保険会社側には収益拡充につなげたい思惑もあるようだ。

 「あっ、しまった!」。外国人客を案内していた通訳ガイドが、預かったカメラを落としてしまった。カメラは壊れたが、数万円の修理費などは保険でカバーできた。

 三井住友海上火災保険は1月、外国人客を案内する通訳案内士を対象とした保険を始めた。「全国通訳案内士」の資格を持ち、日本観光通訳協会か全日本通訳案内士連盟の会員が対象。「食品情報を誤って伝え、旅行者がアレルギーを発症した」「スケジュール管理を間違えて旅行者が予定の飛行機に乗り遅れ、追加の宿泊費が発生した」など業務上起こり得るさまざまな事故やトラブルに関する賠償を補償するという。

 これまでに約750件を販売。広報担当者は「来日客増加で業務のリスクが増えており、保険で対応したい」と力を込める。

 東京海上日動火災保険は中小企業向け保険の加入者を対象に、簡単な相談に応じる「インバウンドビジネス支援サービス」を提供する。訪日客事業に力を入れたい顧客から依頼があれば、提携するコンサルティング会社の「やまとごころ」(東京)が電話かメールでアドバイスや情報を提供する。

 「外国人の集客を強化したい」という熊本・阿蘇地域のホテルには、食堂のメニューや施設案内の多言語化や、リピーターを増やすためのメールマガジン発行を提案。

 中国人客にアピールしたい神奈川県鎌倉市の洋菓子店には、中国版の飲食店紹介サイトの情報を紹介した。やまとごころの阿部紗代子さんは「地方の顧客からの問い合わせが特に多く、必要な情報がまだ少ないと感じる。企業ごとに課題は違うが、まずは適切な情報を渡すのが第一歩」と話す。東京海上の広報担当者は「訪日客事業に取り組む中小企業を支援することで、地方の活性化にもつながってほしい」と話している。

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