金融

三菱UFJ信託、情報銀に参入 大手行で初、部署新設へ

 個人情報を預かって本人同意の下で企業に提供する「情報銀行」参入の動きが勢いを増してきた。来年4月をめどに大手銀行として初の参入を目指す三菱UFJ信託銀行は、行内に「情報信託室(仮称)」を新設する方針だ。既に電通グループが事業を開始しているが、膨大な金融情報を保有した“本命”のメガバンクグループが参入することで、個人情報が商品として売買され流通する時代が到来する。

 情報銀行への参入は、情報の利活用を銀行本体の業務として認める来春の改正銀行法施行が前提となる。

 情報信託室は担当者の約半数がデザイナーや経営戦略の専門家など外部採用が占め、どんな提案をすれば利用者から抵抗感なく個人情報を引き出せるかを検討する。企業が倒産しても確実に情報の対価が渡る仕組みを整えるなど信託銀行のノウハウを生かし情報提供者を囲い込みたい考えだ。

 三菱UFJ信託の情報銀行では、運転免許証などで利用者の本人確認を徹底した上、対価を現金で払うなどして付加価値の高い情報を引き出すのが特徴。企業側は偽装の心配が少ない実名情報を入手でき、商品開発やサービス改善に役立てるのに加え、潜在的な顧客層に効率良く接触できる。

 利用者は、スマートフォンの専用アプリを通じ資産や健康などに関するデータを三菱UFJ信託に預ける。IT大手が蓄積したネット通販の購買情報なども提供できる見込みだ。利用者には来年10月以降、データ取得を希望する通知が届く。

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