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ワイヤなしブラ人気広がる 締め付けなく快適 機能やデザイン進化

 締め付けがなく快適に過ごせると、ワイヤのないブラジャー「ノンワイヤブラ」が人気だ。以前は「胸の形が崩れるのでは」と補正機能を不安視する声もあったが、胸を支える技術や素材が進化。これまで年配の利用者が主だったが、関西の下着メーカーがデザインにこだわった商品を開発するなど工夫を重ね、若者にも広がってきた。

 大阪・難波の地下街にあるグンゼの看板店「ここちセレクト バイグンゼなんばウォーク店」。白を基調とした落ち着いた空間には、縫い目がない下着やパンツなど着心地にこだわった商品があちこちに並んでいる。

 陳列しているブラジャーは全てワイヤのない商品。売れ筋は、ホックがなく、Tシャツのようにかぶって着る「ハーフトップ」と呼ばれるものだ。主力の「キレイラボ」は生地を立体的に加工、胸が横に流れるのを防ぐだけでなく、美しい花柄のデザインが特長だ。

 ワイヤがない分価格も抑えられるといい、販売員の女性は「友だちと出掛ける時によく使われます」と説明する。

 こうしたブラジャーが本格的に売れ出したのは4~5年ほど前から。女性の社会進出や、制服を廃止する企業が目立ちファッションのカジュアル化がさらに進んだ時期と重なる。業界関係者は「男性の目を気にする女性が前より減ったほか、外で着る服も下着も楽なものがいいという人が増えたのでは」と分析する。

 業界最大手のワコールが2016年から展開するブランド「ゴコチ」のブラジャーはワイヤがなく、伸縮性や速乾性に優れている。「消費者ニーズの多様化に対応した」(担当者)戦略が奏功し、ハーフトップは223万枚を売り上げるヒット商品に。18年度はブラジャーの売上高が2年前と比べて倍増し、ワイヤのない商品が全体の3割を占めるほど成長した。

 旅行で日本を訪れる中国人も販売を押し上げている。訪日客でにぎわうあべのハルカス近鉄本店に入るワコールの販売員は「インターネットの会員制交流サイト(SNS)を通じて現地で口コミが広がり、お土産として買う人が多い」と話す。ワコールは今後も需要が拡大するとみて、ワイヤのない商品を拡充する方針だ。

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