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「独身の日」でも大活躍 “アマゾンとは真逆”のアリババが急成長したワケ (3/3ページ)

 人類の文明は、さらにすばらしいステージに

 ――日本は経済停滞に加え、少子高齢化など構造的問題も抱えている。ITを活用し、こうした問題を解決するためのアドバイスは。

 【ミン・ゾン】本書は未来に向けた新たな視点を提供しようとしている。今、世界では根本的なパラダイムシフトが起ころうとしている。そこでは経済や社会を「活性化」、「再生」するというより、「革新」によって新たな未来を構築するという発想が必要だ。

 人工知能(AI)、IoT、そしてバイオテクノロジー分野の画期的業績など、数百年に一度の大きな変化が今起きており、経済構造やわれわれの暮らしは根本的に変わろうとしている。生産性が向上し、経済が繁栄し、多くの人がより良い生活を享受できるようになればいいが、短期的にはAIによる雇用喪失など深刻な問題も生じるだろう。

 だが私は人類の文明が、これまでよりはるかにすばらしいステージに入ろうとしているのだと考えている。

 初の時価総額10兆ドル企業は「まだ誰も知らない会社」

 ――最後に、日本のインターネット企業に向けたアドバイスをお願いしたい。

 【ミン・ゾン】まちがいなく言えるのは、日本のインターネット企業は世界で、それもオープンな環境で競争しなければならないということだ。アリババは創業間もない頃から中国市場でイーベイ、アマゾン、グーグルと競ってきた。世界のトッププレーヤーと戦うなかで強くなった。日本の企業もグローバルな舞台で、強力なプレーヤーと競い合うことが必要だ。

 本書の結びに、GAFAやBATが誕生してから20年ほどに過ぎないが、どこが最初に時価総額1兆ドルの壁を突破するか楽しみだ、と書いた。それが2017年のことで、現時点(2019年9月)ですでにアップルを皮切りにアマゾン、マイクロソフトが次々と時価総額1兆ドルを超えた。

 グーグル、フェイスブック、アリババも近い将来、それに続くだろう。そして次の壁が時価総額10兆ドルだとすれば、最初に突破するのは、まだ誰も知らない会社だろう。

ミン・ゾン アリババ前最高戦略責任者
 中国・杭州生まれ、アメリカ育ち。イリノイ大学在学中、米スーパーで目撃した豊富な品揃えに衝撃を受ける。ヨーロッパ最高の経営大学院INSEADの准教授だった2006 年、アリババCEOのジャック・マーから直々にスカウトされ、同社に参画。2017 年まで最高戦略責任者として10年にわたり、4000億ドル企業として世界へと飛躍するのに貢献する。現在は、マー前会長らが設立したアリババ教育機関、湖畔大学のトップを務める。2002 年に設立された長江商学院(CKGSB)初代7人の教授のひとり。

 (アリババ前最高戦略責任者 ミン・ゾン 翻訳・構成=土方 奈美)(PRESIDENT Online)

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