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神鋼が赤字転落、2社は大幅減益 鉄鋼9月中間 米中摩擦など響く

 鉄鋼大手3社の2019年9月中間連結決算が12日、出そろった。最終損益は日本製鉄とJFEホールディングス(HD)が大幅減益となり、神戸製鋼所は赤字に転落した。鉄鉱石などの原料価格や物流費の高騰でコストが上昇。米中貿易摩擦や中国経済の減速による鋼材需要の減少、市況悪化も響いた。

 12日に決算を発表したJFEHDは、最終利益が前年同期比70.7%減の319億円だった。業績悪化を受けて、同社は今年度だけで粗鋼ベースで100万トンの減産に踏み切るほか、20年度までの3年間で1兆円を計画していた設備投資額を1000億円圧縮する方針を打ち出した。

 日本製鉄の最終利益は66.8%減の387億円。子会社の日鉄日新製鋼呉製鉄所(広島県呉市)で火災が発生したり、君津製鉄所(千葉県君津市)が台風の被害を受けたりしたことも響いた。神戸製鋼所はアルミ・銅事業も苦戦し、62億円の最終赤字(前年同期は333億円の黒字)に転落した。

 通期予想は、全社が下方修正した。JFEHDは前期に1613億円だった鉄鋼事業の利益がゼロと大幅に減る見通しで、12日に会見した寺畑雅史副社長は「非常に厳しい状況が続く可能性がある」と見通しを述べた。日本製鉄は本業のもうけを示す事業利益を従来の1500億円から1000億円(前期比70.3%減)に下方修正。神戸製鋼は最終損益を100億円の黒字から50億円の赤字(前期は359億円の黒字)に引き下げた。同社の最終赤字は3年ぶりとなる。

                   

 鉄鋼大手3社の2019年9月中間連結決算

 (社名/売上高/最終損益)

 日本製鉄/3兆 471( 3.6)/387(▲66.8)

 JFEHD/1兆8712(▲1.1)/319(▲70.7)

 神戸製鋼所/9444(▲1.4)/▲62( - )

 ※単位:億円。カッコ内は前年同期比増減率%。▲はマイナスまたは赤字、-は比較できず。日本製鉄とJFEHDは国際会計基準

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