広報エキスパート

日清紡ホールディングス 広告と一体で会社への信愛育む

 日清紡ホールディングス経営戦略センターCSR室IR広報グループ課長・喜田清弘氏

 --「プライベートショー」が好評でした

 日清紡績として立ち上がり今年で113年目。持ち株会社制に移行して10年を迎えたのを機に、取引先への感謝の気持ちを込めて9月11日から3日間、展示会を開催しました。東京會舘3階のイベント会場では、モビリティ、インフラストラクチャー&セーフティー、ライフ&ヘルスケアを事業領域としたグループの未来像を展示しました。100以上の製品を映像やパネルなどを使いながら、担当スタッフが来場されたお客さまに丁寧に説明させていただきました。3日間の来場者は約3000人と、お陰さまで大盛況のうちに終えることができました。

 --その成果は

 「BtoB」製品がほとんどのため、多くの方から「日清紡って、こんなことにも取り組んでいるのか」という驚き、気付き、関心の声をいただきました。また、社員がグループ各社の事業内容を理解し、互いにコミュニケーションを深めることができたことも大きな成果です。メディア向け説明会には約30人にご参加いただき、社長の村上雅洋ら役員からグループの現状と今後について説明させていただきました。「改めて、詳しい話を聞かせてほしい」と、事業・製品の個別取材にも発展し、当社グループの絶好のPRの場にすることができました。

 --この10年間で企業体として大きく変わりました

 現在の売上高(5000億円超)、連結子会社数(100社超)、従業員数(2万7000人超)は10年前の2倍に、海外比率もそれぞれ半分以上になりました。規模だけでなく売り上げ構成も、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキの3事業で全体の約7割を占め、繊維事業は約1割となりました。このように事業のポートフォリオを組み替えた結果、15年には、それまで株式市場で「繊維製品」に分類されていた所属業種が「電気機器」に変更されました。

 --テレビCM「クマーシャル劇場」が話題になっています

 当社グループの認知度を、特に若い世代に高めたいとスタートしたのが、犬と二人羽織をする「ドッグシアター」(2012~18年)でした。好感度の高いうちに次につなげたいと4月からスタートしたのが、キャラクターをマレーグマに変更した「クマーシャル劇場」です。「♪ニッシンボ~」の歌はそのまま使用しています。CMで日清紡に興味を持っていただいた方には、マレーグマが日清紡を紹介する特別サイトを用意しています。CMと同じトーンで何をしている会社なのかを楽しく知ってもらえるようにしています。アクセス数も順調に伸びています。

 --広報活動の考え方は

 持続的な成長・発展のため、コミュニケーションを通じて企業の存在価値を理解、支持していただき、社会との共存を図ることが広報のミッションです。そのために、まずは注意、注目され、興味、関心を抱いてもらわなければなりません。当社では、この“認知”をテレビCMなどの広告が担います。次に報道で会社のことを理解し、イメージを醸成してもらいます。つまり広報活動で“共感”を得ます。そして就職、株式購入、事業取引などの行動が“信頼”の証しと考えます。

 --この流れを喜田さん流に表現すると

 認知、共感、信頼という流れは、「日清紡への信愛プロセス」といえるでしょうか。消費者と直接コミュニケーションが取れる製品がない当社では、広告と一体となった広報活動で、日清紡への信愛を育めるよう努めます。

 --危機管理についてひと言

 広報には、レピュテーション(世評)による企業価値の低下を抑えることが求められます。10年以上前ですが、謝罪会見の経験があります。当時の社長は「問題は規模の大小ではない。企業公器、至誠一貫を根幹に100年やってきた企業が信頼を損ねる事態を招いたことが問題」と言いました。この精神は社員ひとりひとりに受け継がれています。(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子)=随時掲載

                   

【プロフィル】喜田清弘

 きだ・きよひろ 1993年中大理工卒、日清紡績(現日清紡ホールディングス)入社。メカトロニクス事業本部、総務本部総務部などを経て、2003年総務本部秘書部広報課。14年から現職。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus