リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

医療の伝統守りながら変革に挑む 日本医科大・弦間昭彦学長 (3/3ページ)

 --呼吸器内科医を目指した理由は

 「私は呼吸器専門医で肺がんの治療に主に当たっているが、医学部時代に柳田邦男のノンフィクション『ガン回廊の朝』を読んで大いに刺激を受け、呼吸器科に進むことを決めた。がんの早期発見、治療法の確立に奮闘した第一線の医師を描いており、登場人物の一人に日本医科大の卒業生だった坪井栄孝氏がいた」

 「私より30歳近く上のおやじ世代だが、憧れの人。郷里の福島県郡山市で病院長をしていたので、会いに行ったことがある。会うことができ、いろいろな話を聞けたことが私にとって大きな糧となった。その後、国立がんセンター病理部で研修を受けたが、同センターを紹介してくれたのも坪井先生。がんは人類の敵。がん治療に取り組まないといけないし、それだけやりがいがある仕事だ」

 --肺がんにかからないための予防策は

 「自分の身は自分で守るのが大前提で、たばこを吸うのはやはりリスクが大きい。肺がんの症状が出たら手遅れになりがちなので、検診が重要になってくる。たばこを原因とするがんは半年で様子が変わるので、毎年欠かさずに受けなければいけない」

 「昔は手術でがん細胞を切るしかなかったが、今では放射線や抗がん剤などの治療法の開発が進み、5年生存率(治療開始から5年間生存できる割合)が高まった。特にこの5年ほどは医療の進歩が早く、国が公表している生存率よりはるかに良くなっている。このため生存率が低いといって悲観することはないし、仕事も休むことなく続けられる。といっても予防は絶対に必要だ。将来は人工知能(AI)も生存率の上昇に寄与するだろう」

 --ストレス解消法は

 「仕事に本気で取り組んで、遊ぶときは遊ぶ。仕事を終えたあと、小料理屋さんで一杯やるのが楽しみ。ホテルのプールで月に数回泳ぐのも気分転換にいい。野球は阪神ファンだ。今年はセ・リーグで3位に入りクライマックスシリーズに滑り込んだが、残念な結果に終わった」

【プロフィル】弦間昭彦

 げんま・あきひこ 日本医科大卒、1989年同大学院修了。国立がんセンター研究所病理部などを経て98年同大講師、助教授、准教授、主任教授、医学部長、2015年10月学長。62歳。山梨県出身。

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