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ゲーム会社が勝手に肖像を使用 大学生選手らの「スポーツ商業化」を危惧する (1/2ページ)

 先日、米カリフォルニア州で「学生アスリートがエージェントを雇ったり、名前、画像、肖像の使用に対する報酬を得る機会を拒否したりすることを違法」とする“Fair Pay to Play Act”が可決された。同様な法案が複数の州で導入される予定という。これによってプロと大学との境界線が失われることになるのか。もちろんNCAA(全米大学体育協会)側もこれまでの学業優先のポリシーに揺らぎはない。同法案は2023年1月1日から発効されるが、それまでに関連する新たな法案の制定も見込まれる。NCAAの今後の動向が注目される。(帝京大学教授・川上祐司)

 学生にも肖像権

 そもそもこの法案の根本は、元NBA(米プロバスケットボール協会)選手でUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のバスケットボール選手であったエド・オバノン氏の訴訟の成功に影響を受けているが、ゲーム会社に勝手に肖像を使用された同選手たちの訴訟内容もよく理解できる。また、在学時の傷害補償の提供を促す目的も加味して可決された州もある。つまりは「教科書に書いてあることだけでは分からない」ことが現場には多々あるのである。

 筆者は本学に着任以来、このスポーツ大国アメリカで行う科目「海外スポーツマネジメント研修」を自ら手掛けている。この研修はMLB(米大リーグ)スプリングトレーニングキャンプに合わせて毎年2月末から約10日間にわたりアリゾナ州スコッツデール市で実施しており今年度で5回目となる。スポーツ文化の体験と理解を目的とした2つのプログラムを毎年実施している。

 一つはグランドキャニオン大学スポーツビジネスクラスで「日本のスポーツビジネスの現状と課題」をテーマに英語でプレゼンテーションするものである。同クラスは地元MLBチームのアリゾナ・ダイヤモンドバックスとNBAチームのフェニックス・サンズの元オーナーのジェリー・コランジェロ氏が設立したビジネススクール内にある。スポーツビジネスに従事したい学生たちが学んでいる。

 日本のスポーツビジネスへの関心も高く、大相撲、プロ野球、Jリーグ、箱根駅伝などわが国特有のビジネスモデルを紹介してきた。興味と違和感を同時に抱くかのような多くの質問が飛び交い日米のビジネス全般の違いを痛感する。

 もう一つは、同市でスプリングトレーニングキャンプを行うMLBサンフランシスコ・ジャイアンツが主催するファンイベント「GIANT RACE」の運営に携わる。週末の午前6時、ベイエリア周辺から訪れる約3000人のジャイアンツファンたちがスタート地点であるスコッツデールスタジアムに集まり5キロと10キロのレースに挑む。学生たちは、タイムを競う先頭集団からウオーキングを楽しむ家族らさまざまな参加者と交わりながらスポーツ文化に触れ合うのである。

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