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日産、次世代車生産で新手法 栃木工場へ330億円で来年導入

 日産自動車は28日、ガソリン車や電気自動車(EV)など、走行に使う“心臓部”の仕組みが異なる複数の車を効率的に組み立てる手法を来年から導入すると発表した。ロボットや塗装などの新技術と合わせて、まずは330億円を投資して栃木工場(栃木県上三川町)で始める。順次、国内外の工場に広げるほか、企業連合を組む仏ルノー、三菱自動車で導入してもらうことも検討する。

 電動化の進展により、自動車メーカーは同じ車種でも、ガソリン車やハイブリッド車、EVなど、異なるパワートレーン(駆動系)の搭載モデルを揃える傾向が強まっている。そのため日産は、必要な部品全てを組み付けた「モジュール」を先につくり、これを車体に一括で搭載する手法を開発。画像認識技術により、0・05ミリ単位の精度で自動管理するという。

 このほか、パネルの合わせ目で水漏れを防ぐシーリング材の塗布に関しては、これまでは熟練した技術者が手作業で行ってきたが、角度や加える力などを数値化することで、ロボットでもできるようにしたという。また、材質の異なるボディーとバンパーはこれまで、別々に塗装しなければならなかったが、日産は独自に開発した塗料を使うことで同時にできるようにする。

 新手法は次世代車生産への対応や効率化のほか、作業者の負担軽減という狙いもある。例えば、駆動系の組み付けではこれまで、低い姿勢で上向きに行う作業も必要だったが、負担が減らせるという。

 坂本秀行副社長は28日の説明会で、「車はますます複雑で高度なものになるため、生産技術の飛躍が重要だ」と話した。

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