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「代替チーズ」味や食感に課題 新興・大手が需要拡大へ知恵絞る (1/2ページ)

 代替食品を手掛ける新興企業が植物由来の代替チーズ市場を掘り起こそうと躍起になっている。植物由来のハンバーガーや牛乳、ヨーグルト、アイスクリームなどと比べ代替チーズは食卓への普及が遅れており、各社は需要拡大に向け知恵を絞っている。

 調査会社フューチャーマーケットインサイトによると、昨年の世界の代替チーズ市場は約19億ドル(約2070億円)。1210億ドル規模という巨大マーケットを形成するチーズ市場と比べてごくわずかだ。

 代替チーズの多くは味や食感にごまかしが利く料理用モッツァレラチーズやチェダーチーズで、シャンパンと一緒に楽しむレベルには至っていない。家庭の食卓に上るにはより本物のチーズに近い味の追求が欠かせない。

 微生物発酵で熟成

 スイス・アルプスに本拠地を置くニュールーツやフランスのトムプースは、伝統的なチーズの製法で植物由来の代替チーズを製造しようと開発を急いでいる。代替チーズを手掛けるほとんどのメーカーでは牛乳代替物に添加物を加えることで手間をかけずにチーズの味と質感を出している。

 しかし、ニュールーツはカシューナッツミルクを人体に良い影響を与えるとされる微生物「プロバイオティクス」で発酵させ、本物のチーズと同様に熟成させる手法を取っている。トムプースではカシューナッツミルクの代わりにカシューナッツと水を混ぜたピューレを使用し同様の製法で発酵・熟成させている。トムプースの創業者、インマヌエル・ジュベール氏は「チーズは作り手の感情に左右される食品だが、本物のチーズにできる限り近づけたい」と意欲を燃やす。

 欧州や北米の代替チーズ市場ではニュールーツのような新興企業がひしめき合っている。菜食主義者(ビーガン)向けの食品を手掛ける米ミヨコズ・キッチンは植物由来の食品のブームに乗り事業を急拡大。現在米国内で1万2000に及ぶ店舗に商品を供給する。

 また、米ハンバーガーチェーン、ファットバーガーはカナダの植物由来チーズメーカー、デイヤフーズと提携し、同社のチェダーチーズと植物由来の代替肉で作る「インポッシブルバーガー」を組み合わせた完全な植物由来のチーズバーガーを提供している。

 将来有望な市場に熱い視線を注ぐのは新興企業だけではない。スイスの食品大手ネスレは代替チーズのほか、植物由来のバーガーパティやベーコンなどを開発。また、仏食品大手ダノンは豆乳メーカーのホワイトウェーブを買収し、代替食品市場に本格参入、代替チーズの増産を急いでいる。

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