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日銀短観 世界経済の減速警戒 増税駆け込み需要反動減懸念 先行きは米中摩擦緩和を期待する声も

 13日に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数(DI)が市場予測を上回る大幅な悪化となった。自動車や機械など輸出関連企業を中心に世界経済減速の影響を警戒する声が多く上がっている。一部の非製造業も消費税増税前の駆け込み需要の反動減を懸念。一方で、先行きは米中貿易摩擦の緩和など明るさを指摘する声も出ている。

 自動車大手各社は、世界的な景気低迷の影響などから通期の業績予想を軒並み下方修正している。米中だけでなく「インドやインドネシア、タイなどアジアでも市場が縮小傾向にある」(トヨタ自動車の近(こん)健太執行役員)のが特徴だ。国内の新車販売台数も10、11月と2カ月連続で前年比で2桁のマイナスを記録しており、マツダの梅下隆一執行役員は「消費マインドの冷え込みと台風など天候の双方の影響があるのだろう」と指摘する。

 中国経済の減速で業績が低迷している業界の一つが電子部品だ。令和元年9月中間連結決算で本業のもうけを示す営業利益が前年同期比50%減となったロームは、中国での自動車販売が伸び悩んだため、カーナビ向けなどの部品販売が振るわなかった。「当初計画でも(事業環境を)厳しく見たつもりだったが、一段と落ちてしまった」(藤原忠信社長)という。

 一方、大企業非製造業では、原油価格の低下に伴い電気・ガスのDI改善が全体を下支えした。ただ、大手百貨店各社からは、消費税増税に関し「駆け込み需要の反動と消費マインドの低下が想定以上に長引いている」(阪急阪神百貨店)などと警戒感も広がる。

 先行きのDIをみると、大企業非製造業は一段の悪化が見込まれる。反動減のほか、消費税増税前のシステム改修やレジの交換といった需要が一巡する可能性も指摘される。「今後も何らかの形で増税影響が残るのでは」(高島屋)との見方が支配的だ。

 他方で大企業製造業の先行きのDIには底入れ感も出てきている。東レの日覚昭広社長は「悪いところは出尽くしている」と強調。三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長も「米中の対立はこれ以上深まらないと思う。人工知能(AI)に代表される新技術やそのニーズが出てきているので、世界経済は来年半ばくらいから回復してくるのではないか」としている。

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