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最新ステルス機、全部見せます 岐阜基地航空祭でX-2初のフル公開 (2/2ページ)

 名物は異機種大編隊

 航空祭ではX-2展示のほか、実験隊という性格からほぼ全ての航空自衛隊機を抱える同基地ならではの名物、異機種大編隊飛行も実施。今年は澄んだ青空の下、輸送機のC-1から国産支援戦闘機F-2までが編隊を組んだ。それぞれ最高速度も飛行できる最低速度も異なり、飛行特性もバラバラの機体を同一速度で編隊飛行させるのは高度な技術が必要なのは言うまでもない。むしろ観客の安全面に重々配慮している自衛隊がこうした飛行を可能にする背景には、テストパイロットを揃えた実験団のレベルの高さがうかがえる。

 さらに今年は、T字での異機種大編隊も披露。同基地のテストパイロットコース(TPC)創設50周年を記念したという。一般的には、大型機の飛ぶ後ろ側は気流が荒れて大変(後方乱気流という)とされるが、今回のT字飛行では一糸乱れぬ編隊飛行を見せた。もちろん操縦士の訓練と腕のなせる技なのだろうが、見ている側は「あんなこと、できるんだ」と常識を疑うばかりである。

 ブルーと「最後」

 今回、岐阜基地航空祭では、華麗なアクロバット飛行でブルーインパルスが来訪しなかったこともあり、岐阜基地ならではのメニューを実施。飛行実験展示と題して、開発実験団の名の通りテストパイロットが機体の限界性能を調べる際の特殊な機動飛行を行った。

 航空自衛隊では12月1日に百里基地(茨城)、8日に築城基地(福岡)、15日に新田原(宮崎)でそれぞれ航空祭を予定しており、いずれもブルーインパルスが来訪しアクロバット飛行を披露する予定。1964年と同様に2020年東京五輪でも大空に五つの輪を描く構想が上がっており、実現すれば五輪以降の航空祭では観客の大幅増も予想されるだけに、「見るなら、いま」ともいえる。

 もうひとつの見所は、長年活躍してきた「ファントム2」戦闘機。昭和46(1971)年に初号機が導入され、40年以上にわたって日本の空を守り続けた「老兵」は2020年度で引退が決まっており、今年の航空祭は、その飛行を見る貴重な機会でもある。特に百里基地ではファントム2の偵察型「RF-4E/EJ」が今年度で運用を終えるため、偵察型は今回の航空祭が「飛行」の見納めとなる。

 ※各航空祭の開催日や時間、入場の詳細などは航空自衛隊ホームページで確認してください。

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