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新興メニュー「台湾まぜそば」が爆発的な広がり 名古屋めしの新しい活路とは (2/3ページ)

 コラボ商品で客層広げる「あんかけスパゲティ」

 多彩なコラボによってビジネスチャンスの拡大を図っているのが「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」だ。同店は1963年創業のあんかけスパゲティの元祖。ピリ辛でこってりしたソースが極太麺にからむ通称“あんかけスパ”は、名古屋市内にいくつもローカルチェーンがあるほど地域限定で浸透している。ちなみに「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋も、あんかけスパの専門店チェーン「パスタ・デ・ココ」約30店舗を展開している。

 ヨコイは名古屋市内に3店舗と、店舗数は限られるが、ここ数年、コラボ商品の開発に力を入れている。2018年夏には石川県金沢発祥のカレーチェーン「ゴ-ゴーカレー」とタッグを組んで、「ヨコイのソース ゴーゴーカレー風味」と「ゴーゴーカレー ヨコイのソース風味」の2種類のレトルトソースを発売。19年春にはスナックメーカー・おやつカンパニーと共同で「ベビースタードデカイラーメン ヨコイあんかけスパゲッティ味」を発売した(いずれも現在は販売終了)。

 この他にもホテルチェーンの朝食、ハンバーグ専門店のメニュー、物販商品にも同店のソースが近く採用される予定。さらに、名古屋の豆腐店と共同で、同店のソースを用いた「名古屋麻婆」なる商品も売り出す計画だ。

 「飲食店とは異なる販路の商品によって、あんかけスパゲッティを食べたことがない人にも知ってもらう機会が広がる。スナック菓子ならお子さんにも食べてもらうことができる。こうして少しずつあんかけスパゲッティを浸透させていきたいと考えています」と、横井慎也副社長は話す。

 あんかけスパゲッティは、個性的と言われる名古屋めしの中でも特に個性が強く、根強いファンがいる一方で、名古屋以外にはなかなか広まりにくい。ココイチの企業力をもってしても「パスタ・デ・ココ」の店舗数は頭打ち。ヨコイも15年に同じ愛知県の外食グループ・甲羅と共同でFC展開を図ったが、オリジナルの味を再現しきれず3店舗を出店しただけで結局撤退している。店舗展開のハードルが高い業態ゆえに、物販を主とした商品展開に新たな活路を見いだすという試みは、他の名古屋めし企業にとっても参考になりそうだ。

 “名古屋めしのデパート”で観光客をつかむ、絶好調の外食企業

 名古屋めしは、当連載でも取り上げた「矢場とん」=みそカツ、「あつた蓬莱軒」=ひつまぶし、「山本屋本店」=みそ煮込みうどんなど、専門店がトップブランドとして君臨しているものが多い。それに対して、主要なメニューを網羅した「名古屋めしのデパート」として人気沸騰しているのが、かぶらやグループの「名古屋大酒場 だるま」だ。19年4月のリニューアルで名古屋めし系メニューをより強化し、前年対比で何と140%、3000万円超の売り上げをたたき出している。

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