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離床予測センサー、介護を支援 就寝中の高齢者を見守り現場の救世主へ (1/2ページ)

 就寝中の高齢者を見守る画期的な介護支援システムが評判となっている。ベッドの下や天井などにセンサーを設置するだけで、高齢者の心拍などを解析し、離床を予測、転倒事故を防ぐことができるという。世界初の技術は、過酷な介護現場の救世主となるのか。

 高齢者の骨折リスクは、ベッドから起き上がり、床に着地した際、転倒して一気に高まる。このリスクを軽減するには、離床を予測することが不可欠だ。

 そこに着目したのが高齢者介護支援システム「レガーメ」(介護保険適用、税抜き小売価格は15万円)。イタリア語で、「絆」を意味する「レガーメ」は、システムジャパン(東京都中央区)が開発し、このほど商品化した。同社の七里芳輝代表取締役は「すでに300台ほどのセンサーを介護施設で利用していただき、評価をいただいております」と話す。

 体動や心拍を解析

 これまで離床を予測するのは、極めて困難とされてきた。ベッドから離れるタイミングを事前に知ることができないからだ。

 だが、「レガーメ」は、ベッド上の高齢者の体動、呼吸数、心拍数の3要素を徹底的に解析。「対象者の安静期→不穏期→離床期(ピーク)に分けて、脈拍数、呼吸数など3要素の予測値を比較したところ、安静期から不穏期にかけて、不穏期から離床期にかけ、それぞれ数値が微妙に上昇したことが判明しました。3要素をモニターすることによって、離床の早期検知だけでなく、離床を予測できるようになったのです」(七里代表)。こうした研究を重ねた結果、世界初となる離床予測センサーがついに完成したのだ。

 さらに、「レガーメ」の優れたところは、呼吸数など3要素を対象者の身体に接触することなく、3メートル以内なら離れていても感知できるシステムを開発したことだ。センサーには、動きに反応するドップラーセンサーが内蔵されている。一般的にマイクロ波を利用したセンサーは安静状態のみ測定ができ、動作中や車などの中では測定できなかった。しかし、レガーメは、同社のまったく新しい解析により可能となったシステムで、非接触が実現した。

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