NTT東日本は21日、コンピューターゲームで対戦するeスポーツ事業を手掛ける子会社を31日付で設立すると発表した。NTTグループの通信網や設備を活用し、イベント運営やゲーム関連の人材教育サービスなどを提供する。
5年後の売上高40億円を目指す。第5世代(5G)移動通信システムの普及を見据え、国内外の通信IT企業はゲーム事業に注力しており、市場拡大を追い風にする考えだ。
NTT東が設立するのは、事業子会社「NTTe-Sports」。大規模イベントで通信回線を構築するNTTのノウハウを生かし、大会の企画や運営を手掛ける。通信環境の整った局舎なども有効利用し、地域振興にもつなげる考え。
年齢や性別、障害のあるなしにかかわらず楽しめるeスポーツを通じ、医療や介護現場でのゲームの活用や高校などでの部活動への支援、指導者の育成などにもサービスを拡充する。今夏には東京・秋葉原にイベントを開催したり、自治体や法人向けに実証事例を体感できたりする拠点を開設する。
今春商用化が始まる5Gでは、eスポーツをてこにゲームの映像配信やインターネット上で遊べるゲームサービスが活況になると期待されており、国内外の通信・IT大手が事業を強化している。
KDDI(au)はeスポーツの業界団体「日本eスポーツ連合(JeSU)」の公式スポンサーになっており、NTTドコモは昨年2月、スマホ向けのゲーム開発を手掛けるフィンランドのベンチャー企業に出資。ソフトバンクは半導体大手の米エヌビディアと提携して、ゲーム配信サービスを予定している。(高木克聡)