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三菱自動車、絶えぬ不祥事…信頼回復の矢先に

 「クリーンディーゼル」を掲げてきたドイツの自動車メーカー各社が環境を軽視していた実態をさらけ出した排ガス規制逃れ問題が浮上してから4年余り。ドイツ当局の捜査の手は海外勢の三菱自動車に及んだ。三菱自には、日本国内で過去にヤミ改修やリコール隠しといった不祥事を重ねてきた経緯がある。三菱自首脳はドイツ検察による21日の家宅捜索について「不正はなかったと認識している」と説明したが、今回の問題が刑事事件に発展すれば、ブランド力が低下し業績悪化の引き金になりかねない。

 欧州では2015年以降に相次いだ排ガス不正問題を受け、電気自動車(EV)への関心が高まった。ただ坂道や悪路での力強い走行性能が特徴のディーゼル車も一定の人気を保っている。

 三菱自によると、18年度の欧州での新車販売台数は約23万6000台で、世界全体の約2割。うちドイツでの販売は約5万3000台だ。スポーツ用多目的車(SUV)「アウトランダー」やピックアップトラック「トライトン」といった売れ筋の車種にはディーゼル車も用意している。

 三菱自の足元の業績は東南アジア事業の不振などが響いて低迷。19年9月中間連結決算は最終利益が前年同期比95.0%減の25億円に沈んだ。

 三菱自はこれまで会社が存続の危機に立たされるような不正を繰り返してきた。00年には顧客からのクレームを隠し、ひそかに修理するヤミ改修を長年続けていたことが発覚。死傷事故につながった。04年に別のリコール隠しを公表した。

 16年には主力の軽自動車などの燃費を実際より良く見せるため、国に提出する走行試験データを意図的に操作していたと発表。海外メディアは当時、ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れになぞらえ「第2のVW問題」と報じるほどだった。

 三菱自は顧客や販売店の不安解消に向け、日産自動車との資本提携に踏み切った。日産やフランスのルノーと企業連合を構成し、信頼回復へ歩みを進めようとした矢先の家宅捜索となった。

 16年に三菱自が日産自動車の傘下に入った後、日産のトップだったカルロス・ゴーン被告は三菱自の会長も兼務していた。現在レバノンに逃亡中の、ゴーン被告の責任の有無も注目されそうだ。(ダボス、東京 共同)

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