2020 成長への展望

明治ホールディングス社長・川村和夫さん(66)

 ■食品と医薬品、共同研究でシナジーを

 --2019年を振り返って

 「米国と中国の貿易摩擦や消費税率引き上げもあり、経済界としてはネガティブな要素があったが、食品業界としては軽減税率もあって、影響は最小限にとどまったと感じる」

 --東京五輪・パラリンピック後の日本経済は

 「海外からのインバウンド需要が安定している。確かに大きなイベントの後で、反動は一定程度あるのかもしれないが、五輪を機に拡大することも考えられるし、大きな景気減速が起こるとは考えていない。当社の菓子だけでなく、日本の食に触れていただく機会が増えることは間違いない」

 --国内需要の縮小が見込まれる

 「やはり海外比率をしっかり上げていくのが優先課題。海外比率は現状、食品事業で5%くらいだが、2026年度を目標に15%と、今の3倍のボリュームを売り上げていけるようにしたい。エリアはどこでもではなく、中国や東南アジア、米国の3地域を中心に取り組みたい。当社がこれまでやってきたことの拡大スピードを上げていくほか、栄養食品など今までやってこなかった事業も盛り込んでいく」

 --国内事業で期待をかけるのは

 「少子高齢化という大きな変化の中、食品の量を増やすことは難しい。健康に的を絞った商品開発が国内市場を守る上での目標かと思う。中国をはじめ海外も数十年単位で高齢化が進むので、国内で培った新しい商品やビジネスモデルが今後、海外でも通用する商品やビジネスモデルになる可能性を秘めているので、国内市場にきちんと適応した商品開発をしっかり行う」

 --医薬品事業と食品事業とのシナジーは

 「安全が求められる食品と効能などが必要な医薬品は基本的に考え方が違う。ただ必ずしもアウトプットが医薬品、食品と決めずに素材としてどう活用できるか、医薬部門と食品部門が一緒になって、外部の知見も入れながら共同研究する取り組みを昨年から始めた。例えば老化が引き起こすさまざまな病気があるが、それを(病気ではなく)老化という角度から解決しようというアプローチで、アウトプットは医薬品になるのか食品になるかは分からない」

 --働き方改革をどう進めていくか

 「どうデジタル技術を活用するかだと思う。特に生産現場の中で、省力化・省人化の取り組みを進めなければ、働き方改革につながらない。作業量や事務量は変わらずにあるので、省力化できる取り組みがないと休みを増やしたりにはつながらない」

                   ◇

【プロフィル】川村和夫

 かわむら・かずお 早大卒。1976年明治乳業(現明治ホールディングス)入社。栄養販売本部長などを経て、2012年明治社長。18年から現職。

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