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新型コロナ 下方修正79社5553億円減収 業績予想に影響拡大

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、業績予想を下方修正する上場企業が相次いでいる。帝国データバンクの集計によると、ホテルなどサービス業や製造業を中心に17日時点で下方修正した企業は79社で、売上高の減少額は計5553億円に上った。世界規模で状況が日々悪化しており、企業業績への影響はさらに広がりそうだ。

 コロナの影響が深刻化した2月以降の開示情報を集計した。リーガロイヤルホテルなどを展開するロイヤルホテルは、2020年3月期連結業績予想を2月13日に続いて今月17日にも修正。経常損益は5億円の赤字(前期は18億円の黒字)に転落する見通しとなった。

 同社幹部は「2月の段階では中国人旅行客の減少を織り込んだが、国内でもイベント自粛の動きが広がり、宴会のキャンセルが相次いでいる」と説明した。

 大丸などを運営するJ・フロントリテイリングも「訪日外国人と国内のいずれの消費も大きく落ち込んだ」として20年2月期の売上高を従来予想より114億円引き下げた。旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は、20年10月期の最終損益が創業以来初の赤字に転落する見通しだ。

 自動車部品のスタンレー電気は、中国工場の操業停止などで20年3月期の最終利益が従来予想より約4割減少しそうだと発表。世界各地で日系自動車各社の工場が次々と停止し「さらなる影響拡大は避けられない」(同社広報)とみている。

 帝国データの担当者は「企業の想定を上回る速度で状況が変化しており、今後も修正事例は増えるだろう。取引先の中小企業への影響も懸念される」と指摘した。

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